2006.11.13

連載小説始めました

小説「でんでらりゅう」書き始めました。

徐々にアップしてしていきますよ。
お楽しみに・・・!

ご意見・ご感想、あれこれ・・・、お待ちしております。

方言や言い回しなど、いい加減です。
あと、組織暴力団も・・・。
アドヴァイスお待ちしております。

でんでらりゅう 壱

オレ様ちゃんも映画化を目指す・・・!?↓




手紙


手紙


著者:東野 圭吾

販売元:文藝春秋

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2006.11.10

でんでらりゅう 壱

 辰造を乗せた台湾からの便は、強風と雨の影響で十分程の遅れをもって成田に着いた。辰造は毎年この時期に台湾へ行く。まだ駆け出しの頃から愛し合っていた白蘭の墓参に行くためだ。今の女房は、組織の長として体裁を保つためのお飾りのようなものだった。そのお飾りも、組が大きくなり子育てが済んだところで、不要となった。戸籍上は今でも妻であるが、ここ何年も会っていない他人である。息子の龍児とも血のつながりもない赤の他人。龍児は白蘭の子だ。

 ゲートに横付けされた黒塗りのクラウンには、誰も乗っていない。
「但馬の野郎、どこをほっつき歩いてやがる」
 辰造の背後から、鯖のようにぬめった光を放つダブルのスーツを着た但馬が歩いてきた。
「おやっさん、お帰えんなさい。なかなか来んけん、中ぁ見に行ったっちゃね」
「おやっさんはやめろ。お前は俺より年上だ。そんな奴におやっさん呼ばわりされると虫酸が走る。それと、関西か九州か知らんが、その言葉もいい加減直したらどうだ」
但馬は白髪混じりのオールバックを撫でつけながら下げて、
「へい、会長」
 と適当に頷き、自慢の蛇革のシューズのつま先をキッと睨みつけていた。辰造には悟られないように。

 但馬が開けたドアに辰造はスーツケースを放り投げたあとで、体をシートへゆっくりと滑り込ませた。ドアを閉め、運転席につくと但馬はイグニッションを回し、ウインカーも出さずに送迎バスの前にクラウンを割り込ませ、派手にアクセルを吹かした。
「龍児はどうした。」
「坊っちゃんは相変わらずでさ・・・」
 うんざりしたように但馬は答えた。
龍児は会長、組長の後継者としての素質に欠ける。北辰会、いや北野組だってまとめることはできないだろう。
但馬だけでなく、皆が思うことであり、辰造もそう感じていた。龍児は組の者とはそりが合わなかったし、合わせようともしなかった。
暴走族時代の仲間といまだにつるみ、遊び回っている。今日も連中と遊び回っているんだろうと思うと、辰造は軽い頭痛を覚えた。
「組に顔出しよりますか。それとも何処ぞ寄ってかれますか。」
 但馬の作り笑いがルームミラーに張り付いている。何を考えているのかわからない男だが、但馬は辰造が唯一信用している男だ。

 辰造の居た組が経営するスナックに転がり込んで来てホステスにちょっかいを出すやくざもんがいた。若頭だった辰造は、その男に引導を渡すよう組から命を受けた。
その男が九州一和会系笹川組の会長笹川一正を刺して、新宿に潜伏していた但馬だった。金払いも良く、チップもはずむが、ホステスを乱暴に扱い、他の客に喧嘩を吹っ掛けては店の物を壊す。毎日の様に現れ、金で釣ったホステスの家で寝泊まりを繰り返す。ホステスが一人二人と店を辞めだした頃、店を仕切っていた平沢が組に泣きを入れた。
「お客さん、ウチのホステスをどうしてくれてんですか」
 辰造は男に、平板で取り繕った声をかけた。
「兄ちゃん、金ば払て、遊んどっと。なんば言いよっと」
 ホステスのドレスの胸元に手を差し入れたままで、男は唇の左端を持ち上げた自信ありげな顔を辰造に向けた。辰造は男の目を見ていた。男の目は獲物を狙う獣のそれでありながら、迷子になって母親を探す子供の目でもあった。手負いの獣の目だ。
「お客さん、今日はお帰り下さい。明日、ここへおいでください」
 辰造は溢れたブランデーで出来た水溜まりを指で拭うと、名刺をテーブルの上に置いた。
「やくざ屋さんの店だっちゃね」
 男は辰造に金を握らせると、手を振ってドアを開けて出て行った。
「二度と来んけんね」
 平沢は深く安堵のため息を漏らすと、頭を掻きながら辰造に言った。
「有明組のシマで派手に遊ぶとはいい根性してますね・・・と、何度も言ってたんですが・・・。やっぱり、俺じゃ役不足なんですかね。オジキが来ないと収拾つかないなんて、ほんとすいません」
「あの男は、お前には無理だ。俺にも無理かもしれん」

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アドヴァイスもお待ちしております。

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